ここ最近ギター熱にとりつかれ、毎日のように夜中に少し爪弾いて就寝しております。
週末に時間が出来ると近所のリサイクルショップを回ったりしています。
そんな時、ポンとおかれたギターに目を引かれました。
そのギターのトップ(いわゆる表側)が良い感じに焼けているんですよ。。
軽くウェザーチェック(トップの塗装されたラッカーの塗膜の細かなヒビワレ)もあり、
ヴィンテージ感ありありのギターじゃないですか...
しかも使っている木がハカランダ??・・・
肝心要はやはりその奏でる音ですから、まずは試奏させてほしいとお願いして、ツラツラと弾いてみた。そして、ジャラーンっと軽くストローク。。
いい・・・いいぞ・・・
何だっ?
この前面に押し出すカラッとした音は・・・
特に中高音域の音はすごく綺麗なキラキラした音が出る。
こんな綺麗な音始めてだな〜などと、つま弾いている内にその心地良さに何とも惹かれてしまいました・・
おそらく低音域に深みがないのか・・そのように余計に感じるかもしれない。
自問自答しつつ、、この音はやはり耳に共鳴して離れないな〜などと、ひとり悦に入りながら何度も試奏してみた。
心の中で、これは当たりだ。。。出会えたぞ・・・
ネック部分には見た目では反りもない。40年経過したネックとは思えない。
またネックの手の摺れ具合から相当弾きこまれている事が想像できる。
すごく弾きやすい〜。
弦高が12フレット当たりで3mm以上ってのも普通ですが、ナット、サドル部分に手が加えられ、約2mmぐらいに調整されている。
おそらくフィンガーピッキング用にセットされていたんじゃないか。
いいぞ・・これはいい。
持ち主が相当メンテしているな。
そして、あれこれ悩みつつも、
いやいや。。おそらく悩まなかった・・
気がついたらレジ前に持っていき、
「あっ・・これ、これください・・」
とそのまま家に持ち帰ってしまった・・・
置き場所、隠し場所も考えず。やっちまったよ。
ばれないようにするにはどうするか・・・
後先考えずに買ってしまった・・
こんなデカイもんを。。
あのまま置かれているのはかわいそうだったんだ・・
何か俺を待っていたかのような、そんな佇まいに惹かれて、
あれこれ言い訳を考えて・・・
次の日にバレましたが・・・
それがこちらです。
さて、、どれでしょう。。
左が"Epiphone FT79 texan 1968年"
右が"MartinD-28 1981年"
そんで真ん中が今回買った "S.Yairi YD-302 1971年"
右となりのMartinとよく似ております。
とにかく音が良いので買った後に、このギターについていろいろ調べてみたんです。
もともとS.YAIRIはMartinを忠実にコピーし、実直なまでにその音を追及して作り上げてきたようです。
1970年初頭S.YAIRIのYDシリーズが出てこの302は当時で5〜6万はしていたようで、当時はYAMAHAはなど5万位以下でたくさんありました。
そこそこ当時の価格では高かったと思います。
そのMartinに似たギターのトップにはスプルース単版。
飴色に焼けてえ〜感じです。
サイド・バックには今は入手出来ないハカランダが使われていました。
バック部分は真ん中をマホガニーとの3ピース合板になっており、単板ではないものの、
MartinD-35のスタイルと同じですね。
ハカランダには玉杢目が出て味があります。
1970年当初にハカランダを惜しみなく材料として使い、またギターのバイディング部分(縁取り)にもべっ甲が使用されております。この辺は当時の上位機種であった303以上にはないんですよね。

フレットにはモデル名が刻印・・・

バックのハカランダの木目を見ていると、製造されてから40年以上経過したとは思えないほど艶があります。
40年間でのボディの枯れ切った箱から奏でる音は、自分が持っているMartinD-28と比べても高音域は綺麗です。ハカランダの合板とはいえ、その音は特徴がでている感じがします。
トータルなバランスではMartinやEpiphoneのズシーっとくる箱鳴りする音も好きですが、
こうやって何年経っても良い音が出るギターを作り続けた当時の職人さんには、ずっとこういう音がするんだよという自信みたいなものがあったんでしょね。いやはや頭が下がります。
このギターを制作した、S.YAIRIについては、他にK.YAIRIという有名なメーカーがありますが、それぞれ元は同じみたいです。
ドイツのプーマとアディダスみたいに仲違いしたのでしょうか・・・
経緯や違いについてはこちらの
サイトが詳しいです。
残念ながら
この302を生み出したS.YAIRIはその後1982年に倒産してしまいました。。。
フォーク全盛時代であった1970年代には多くの素晴らしいジャパンメイドのギターメーカーが競ってすばらしいギターを作り上げてきましたが、厳しい世は今も相変わらずです。
ちなみに私が始めてギターを手にしたのは従兄弟から2千円で売ってもらった中古のモーリスギターでした。
その後、御茶ノ水の谷口楽器でYAMAHAのLLやLAなど、1980年後半に購入しましたが、どれもオール単版ですばらしいギター達です。
残念ながら今では国内生産、オール単版のギターとなると20万前後するだろうと思う。
ましてやワシントン条約で国際取引が禁止されているハカランダを使ったギターなどはまず買えないもんな。そういう意味では国内で、こうやって安価で中古が買えるというのはまだまだありがたい事ではある。
今回買ったら純正のハードケースまで付けてくれました。。
(いちばん上です。。二段目、三段目はナイショです・・)